ウエブ架線

織田レモソが書いたweb小説おきばです

サクラフェイカー

サクラフェイカー / 16 【終】

サクラフェイカー、これにて終了でございます。 ご読了誠にありがとうございました。 16:開花宣言 俺が目を覚ますと、そこには柔軟剤と人の匂いの混じった香りが鼻腔をくすぐった。明らかにスカートのような模様が目に映ると、彼女の膝の上に頭が乗っている…

サクラフェイカー / 15

桜坂周辺に住みたいけど、車がないと不便な気がしています。 15:いのり 時刻は午後22時40分を過ぎた。俺と彼女は今までになく共にしていた。いつもこの時間であれば、どちらかの家に言っていたはずだった。しかし今日は違った。テーマパークを出てからも、ど…

サクラフェイカー / 14

この物語はフィクションです。 14:てっぺんの魔法 観覧車スターライトホイールは相変わらず30分の待ち時間だった。もうそろそろ少なくなってくるんじゃないかなと思っていると、並んでいる途中で表示が消えた。後ろを見ると従業員が並ぼうとしている人たちに…

サクラフェイカー / 13

つま先立てて海へ、モンローウォークしていく感じですね。 13:魔性の女 魔性の女はその後、実にいろんなところを回ってみせた。甘い匂いのする路地裏で猫と戯れたと思いきや、家電量販店で炊飯器を物色し、かと思えば公園のベンチでソフトクリームを舐めてい…

サクラフェイカー / 12

終わりまであと4回です。 12:終わりを待つ日々 翌日。 俺と彼女は初めて会ったSLSの7Fレストランフロア、カフェスマイルにて軽食をとっている。ただいま午前10時過ぎ。朝食の代わりであるベーコンレタスサンドを食いつつ、俺と彼女は一人の女を意識していた…

サクラフェイカー / 11

僕はGEOよりもTSUTAYA派です。 11:レンタル それでも時は無情に過ぎて、見れば19時を回っていた。もうそろそろ家に帰らなければいけない。いや、家に帰さなければならない。俺は彼女に帰ろうと言おうとしたが、先手を打たれた。 「まさか帰ろうなんて言いま…

サクラフェイカー / 10

僕は今、リアルエロゲシチュエーションというエロゲをオートプレイしながら投稿記事を書いています。 10:おまじない 俺と彼女は外に出た。橙色に染まった星空に、夜の帳が降りかけていた。 「朝倉さん、これから学校に行きませんか?」「桜庭さんの?」 彼女…

サクラフェイカー / 09

折返し。 9:現実逃避主義 情報処理の講義をサボったのは良くないことだと、自分でも重々承知だった。プログラミングにあまり教養がない俺にとって、ポインタは番地であるというその一言でその概念を理解できるわけがなかった。一応聞いておきたかったなあと…

サクラフェイカー / 08

サクラフェイカー前半戦、これで終わりです。次回から後半戦です。 8:エンカウント 情報処理の講義は教授がまるで駄目だった。滑舌が悪くて何を言ってるかわからない上に、饒舌でつれづれなるままに喋るから聞く方はただただこのねっとりとした時間を耐え忍…

サクラフェイカー / 07

漂白剤と脅迫罪は韻を踏めます。 7:脅迫罪 やたらとナポリタンを推してくるパスタ屋で夕飯をとったあと、いく宛もなかったので仕方なく外に出た。取材を全て終えた彼女は、すっきりした顔で伸びをして大きなため息をついた。お疲れ様ですと俺は言った。彼女…

サクラフェイカー / 06

3つ続いてたら、もう一回断りを入れなければならなかったですね。 6:ワールド 週末、俺は彼女に呼び出された。電車と地下鉄と徒歩を駆使して、向かった先は彼女の通う女子高だった。のっぺりとした明るいブラウンの真新しい校舎は今も増築している途中らし…

サクラフェイカー / 05

言うまでもなく、このサブタイトルはアジカン由来です。中身に関連しているわけではないです。 5:アフターダーク それから会話が途絶えるようになってきたので、場所を移すことにした。 「こういう時、どういうルートを通るべきか、悩みます」「私もです」 …

サクラフェイカー / 04

このタイトルは、僕考案ではありません。 4:うみねこの見えるステージ 風の強い商業ビルを彼女と二人、散策した。面しているのは都市の埋め立てた港。水面がきらめき、午後の日差しを乱反射させている。はりぼてで作られた海上特設ステージでは、名も知らぬ…

サクラフェイカー / 03

予告しておきますが、このサクラフェイカー、16話まであります。 3:サクラフェイカー 後日、午後二時。俺は縫い目がアクセントの濃紺ジーンズにマリン系の白地Tシャツ、こげ茶の薄いジャケットとスニーカーという出で立ちで待ち合わせ場所に急いだ。講義が少…

サクラフェイカー / 02

実はこれ、6年前に書いた小説です。 2:定理破壊 一年浪人して第一志望の大学を見事にすべった俺は仕方なく第二志望の大学に入学し、波風立たない穏やかな日々を過ごしていた。 実家を離れ、大学の近くのアパートを借り、新生活をスタートさせた春。不合格の…

サクラフェイカー / 01

お蔵入りからの送り出しです。 1:意識の翼 サクラの木を思い切り蹴りつけると、変な虫が落ちてきて焦った。 三寸五寸の、手も足もない幼虫のような生き物に、俺はまさに手も足も出ない状態で、そして全力で逃げた。春の風景に囲まれた公園を、彼女との思い出…